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TOP ある美容系サロンの労務問題 質問 ある経営者から以下、労務相談があった。※注意、事実をもとにした当方の創作も加味しています。経営者に判断基準と境界に伴走するため、何を情報収集、整理し、どう進めるのか、本人との対話、他スタッフ、顧客との対応などを明確にするとは
ある美容系サロンの労務問題 質問 ある経営者から以下、労務相談があった。※注意、事実をもとにした当方の創作も加味しています。経営者に判断基準と境界に伴走するため、何を情報収集、整理し、どう進めるのか、本人との対話、他スタッフ、顧客との対応などを明確にするとは

質問
ある経営者から以下、労務相談があった。※注意、事実をもとにした当方の創作も加味しています。経営者に判断基準と境界に伴走するため、何を情報収集、整理し、どう進めるのか、本人との対話、他スタッフ、顧客との対応などを明確にするとは

オーナー経営者が、解雇を検討している主な理由は、以下の3点です。
① 他スタッフのシフトや予約を無断で変更する行為を繰り返していること
本人の勤務シフトを調整するだけでなく、権限がないにもかかわらず、他スタッフのシフトや休憩時間を勝手に変更したり、お客様の施術担当を他スタッフへ変更したりする行為を繰り返しています。
その都度、本人には「他スタッフのシフトや予約には触れないこと」を何度も注意・指導してきました。本人はその場では「わかりました」と返答しますが、その後も同様の行為が繰り返されており、改善が見られません。
この行為により、シフト管理や店舗運営に支障が生じています。
② スタッフやオーナーに関する虚偽を含む悪口を広め、職場環境を悪化させていること
他のスタッフやオーナーに対する悪口を陰で話しており、その内容には事実と異なる虚偽の話も含まれています。
その結果、他スタッフが誤った情報を信じてしまい、スタッフ間の信頼関係が損なわれるなど、職場の人間関係や雰囲気が大きく悪化しています。
店舗運営にも悪影響が出ており、円滑な業務遂行が困難になっています。
③ お客様の前でスタッフの悪口を話し、店舗の信用を損ねていること
施術中にもかかわらず、お客様がいる前で他スタッフの悪口を話すことがあります。
そのような言動は、お客様に店舗への不信感を与え、実際に店舗の信用や評判にも悪影響を及ぼしています
サービス業として看過できない行為であり、会社として重大な問題と考えています。
④ 採用時の勤務条件を満たすことが困難になっていること
採用時には、隔週土曜、月イチ祝日勤務が可能であることを前提として雇用契約を締結しています。
しかし、最近になって本人から「土祝の勤務ができない」との申し出がありました。
当店では土祝勤務ができることを前提に人員配置や採用計画を立てているため、この勤務条件の変更は店舗運営に大きな影響があります。
現在、この件について会社として最終的な対応は決めておらず、本人とも協議中の段階ですが、採用時の契約内容と現状に相違が生じている状況です。
【これまでの会社の対応】
上記の内容については、その都度、本人に対して複数回にわたり注意・指導を行い、改善を求めてきました。
しかし、本人は注意を受けた際には理解した旨の返答をするものの、同様の行為を繰り返しており、改善が認められません。
そのため、今後も改善を期待することが難しいと判断し、解雇について相談させていただきたいと考えています。

回答例
まず、経営者の感情に沿うとは 
経営者のメールには、単なる「解雇できますか」ではなく、次の3つの不安が想像されます。


  • 現在の不安:無断変更や悪口が続き、店舗運営を守れない。

  • 判断の不安:何度も注意したのに改善しない。次に何をすべきか分からない。

  • 将来の不安:雇用を続けても、解雇しても、トラブルにならないか。


ただし、4つの理由は同じ性質ではありません。

  • ①無断変更:業務命令・権限違反として中心的に確認する。

  • ②③悪口:具体的な発言、虚偽性、相手、影響の証明が必要。

  • ④土祝勤務:問題行動ではなく、勤務条件の変更問題として分けて扱う。


この区分を明確にした返信メールが適切です。
送信
受信者
今後の対応判断に向けた確認のお願い今後の対応判断に向けた確認のお願い
〇〇様
ご連絡ありがとうございます。
いただいたメールから、次のようなご不安があるものと受け止めました。
・無断でシフトや予約を変更する行為が止まらず、店舗運営を守れない
・スタッフ間やお客様との信頼関係が、さらに悪化するおそれがある
・何度注意しても改善しないため、今後どのような対応を取ればよいか分からない
・雇用を続けた場合も、解雇した場合も、トラブルになるのではないか
そこで、現段階では「解雇できるか」だけを判断するのではなく、次の3点を順番に整理したいと思います。
1.会社として確認できる事実は何か
2.本人に改善の可能性が残っているか
3.改善が難しい場合、どの対応が最も適切か
まず、次の5点をご確認ください。
【1 シフト・予約の無断変更】
無断変更について、分かる範囲で一件ずつ整理してください。
・いつ行われたか
・何を変更したか
・変更前と変更後の内容
・本人が変更したと分かる資料
・お客様、スタッフ、売上への具体的な影響
システム履歴、シフト表、LINE、メールなどがあれば保存してください。
【2 これまでの注意・指導】
「何度も注意した」ということについて、次の内容を整理してください。
・注意した日時
・注意した人
・本人に伝えた内容
・本人の返答
・注意後に繰り返された行為
特に、「他のスタッフのシフトや予約を変更してはいけない」と明確に伝えた記録があるか確認してください。
【3 スタッフやオーナーに関する発言】
「悪口」という表現だけでは、事実確認が難しいため、次の点を具体的にしてください。
・本人が実際に話した言葉
・いつ、どこで話したか
・誰が聞いたか
・どの部分が事実と異なるのか
・その発言によって何が起きたか
本人への評価や印象ではなく、実際の発言と影響を分けて整理します。
【4 お客様の前での発言】
次の内容を確認してください。
・いつ、どのお客様の前で話したか
・どのような発言をしたか
・その場にいたスタッフは誰か
・お客様から苦情や担当変更の申出があったか
・キャンセル、口コミ、売上などへの影響があったか
お客様に直接確認する場合は、店舗側から誘導する質問にならないよう、方法を別途検討します。
【5 土曜・祝日の勤務】
この問題は、①から③の問題行動とは分けて確認します。
・雇用契約書や労働条件通知書に、土曜・祝日勤務がどのように記載されているか
・本人が勤務できなくなった理由
・勤務できない状態が一時的か、今後も継続するのか
・隔週土曜や月1回の祝日勤務について、代替案があるか
本人の事情を聞かないまま、問題行動や解雇理由と結びつけることは避けたいと考えます。
また、事実確認中の再発を防ぐため、直ちに次の対応をご検討ください。
・シフトや予約を変更できる権限を制限する
・変更にはオーナーの承認を必要とする
・変更履歴が残る運用にする
・本人に、事実確認中の暫定的な業務指示を書面で伝える
次回の打合せでは、次の5点をさらに確認します。
1.本人が今後ルールを守れば、雇用を継続する余地はありますか。
2.どの行為が再度起きた場合に、継続雇用が困難と判断しますか。
3.シフトや予約を変更できる人と権限は、全スタッフに明確になっていますか。
4.本人が同じ行為を繰り返す理由について、本人から十分に聞いていますか。
5.本人の処分とは別に、同じ問題を防ぐ仕組みを店舗として作れますか。
今後の進め方は、確認結果によって次のように分かれます。
・事実、証拠、指導記録が明確な場合
 書面による最終的な指導・警告と改善期間を検討します。
・事実や指導記録が不十分な場合
 直ちに解雇を決めず、本人面談、ルールの明確化、書面指導から進めます。
・改善機会を与えても重大な行為が繰り返された場合
 懲戒処分や普通解雇を含めて検討し、解雇前に顧問弁護士へ資料を提出して確認します。
今回の目的は、解雇のための証拠を集めることではありません。
店舗運営を守りながら、会社として公平で、本人や第三者にも説明できる判断を形成することです。
まずは、上記5項目について、資料と事実をご整理ください。

  • 当面の被害を止める
    システム権限や承認手順を直ちに見直します。

  • 本人の改善可能性を判断する
    「注意した回数」ではなく、何を伝え、その後どうなったかを確認します。

  • 処分の判断条件を事前に定める
    次に何が起きたら、どの対応へ進むのかを明確にします。

  • 個人の問題と店舗の仕組みの問題を分ける
    解雇しても権限管理が曖昧なままでは、同じ問題が再発します。


本日、現在、解雇は、行為の内容、会社への影響、本人の事情、指導・改善機会などを総合して判断され、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性を欠く場合は無効となります。厚生労働省も、一度の失敗だけでなく、行為の程度、損害、故意、やむを得ない事情などを総合的に考慮すると説明しています。
また、土曜・祝日勤務が困難になった理由が育児・介護制度の申出や利用に関係する場合、不利益取扱いの禁止が問題となり得るため、①から③の問題行動とは分離して確認すべきです。

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