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TOP 事例001 「問題パート」ではなく「判断しない院長」が作った組織崩壊案件 ある社労士の労務問題対応の妥当性を「判断形成理論」で読み解く
事例001 「問題パート」ではなく「判断しない院長」が作った組織崩壊案件 ある社労士の労務問題対応の妥当性を「判断形成理論」で読み解く

ある社労士の労務相談

顧問先(歯科医院)でのお話です。
とある従業員さん(歯科衛生士。2025/5/21入社。3か月更新のパートさん。無断欠勤はするわ、能力低いわ、覚えが悪いの問題パートさん)の処遇について、古参の従業員たち(医院にいる歯科衛生士のほとんど全員)から院長にクレーム入りました。
簡単にいえば、「私らを取るか」「とある従業員さんを取か」はっきりしる。どう改善するか決めたら文書で返事しろ。2026/4/21期限)という内容でした。
そもそも「なんで雇い続けるの」と思っていましたが、医院長曰く、「人手が足らないから」です。
勤務態度すごく悪いし、能力も低いのに雇い続けているので、他の従業員さんからは「助成金目当てではないか(脊柱管狭窄症持ちだそうです)」「無断欠勤してもペナルティが無い(実際は更新毎に時給ダウンしています)」「ミスが多くて私らの負担が多い」というのが主なクレームの内容です。
私は、院長に
①2026/5/20で契約が切れるので契約更新はしない旨を本人に文書で通知する
②ともかくお辞めいただく必要があるので、金銭的解決も視野入れてくれ
③まずは、古参の従業員さんたちに「今月いっぱいまで返事待て」と言って、時間稼ぎをして、今月中に「とある従業員さんの退職日を決定」しろ
⓸古参の従業員さんたちに、改善案を文書で出すのは辞める(〇〇さんを辞めさせますなんて文書を一従業員に出せませんよね)
ということを申し上げました。
私のやったことは良かったのでしょうか?ご意見・アドバイス賜りたく。宜しくお願い致します。

以下 「判断形成理論」に基づき整理します、参考になれば幸いです
① いま起きていること(構造)
感情:
・古参 → 不公平感・負担増・不信
・院長 → 人手不足による焦り
・パート職員 → 放置されている状態(境界不明)
事実:
・無断欠勤・能力不足・ミス多い
・契約は有期(更新判断可能)
・時給ダウンは実施済み(=制裁のつもり)
基準(欠落):「どこまでが許容か」の明文化がない
行動:ズルズル雇用継続
結果:組織の信頼崩壊(ここが最大リスク)
👉 結論  問題は“人”ではなく「基準と境界がないこと」

② 判断停止ポイント
「人手不足だから仕方ない」→ 基準を感情で上書き
「更新時に時給下げた」→ 処遇で誤魔化し、行動基準を作っていない
「周囲が我慢している」→ 組織の境界が崩壊
👉 これは典型的な 判断形成機能の崩壊(基準×境界がゼロ)

③ 〇〇社労士の対応評価(率直に)
良い点:
✔ 契約終了で整理しようとした(線を引こうとしている)
✔ 文書回答を止めた(無駄な対立回避)
✔ 期限設定(時間軸を作った)
弱い点:
✖ 「なぜ更新しないか」の基準提示がない
✖ 「改善機会の設計」がない
✖ 院長の判断責任を曖昧にしている
👉 厳しく言う “うまく終わらせる”発想で、“正しく判断する”構造になっていない

④ 正しい判断の組み立て(実務)
1. 基準を言語化 無断欠勤 → 即指導+記録 ミス頻発 → 改善計画(期限付き)
業務遂行能力 → 配置基準と照合
👉 キーワード 服務規律・業務遂行能力・安全配慮義務
2. 境界を設定 「○回で指導 → 改善なければ更新なし」 「無断欠勤は懲戒対象」
「チームに過度な負担を与える状態は不可」
👉 ここが最重要  “ここまでなら許容、ここからは不可”を明確化
3. 線を引く(判断)
改善機会を与えたか? → YES/NO 基準に照らしてどうか? → NGなら終了
👉 感情ではなく  構造で切る
4. 行動
改善指導書(書面) 面談記録 更新判断(非更新)
👉 これがないと  不当解雇リスクになる

⑤ 古参職員への対応(ここが盲点)
今のままだと危険:「声の大きい側が勝つ組織」になる
正しい対応:個別職員の処遇は共有しない
ただし基準は共有する 改善プロセスは説明する
👉 メッセージ 「誰かを辞めさせる」ではなく「基準で運営している」

⑥ 結論(経営判断)
今のまま更新 → 組織崩壊
即切る → 法的リスク
妥当解:  👉 基準設定 → 改善機会 → 非更新

⑦ 〇〇社労士への老婆心アドバイス
「辞めさせる」ではなく → “線を引く設計”を入れる
「時間稼ぎ」ではなく  → “判断プロセスを作る”
「院長判断」ではなく  → “組織基準に変える”

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